寄附金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与または無償の供与をした場合のその金銭の額またはその贈与もしくは供与の時における価額のことをいいます。
判断の難しいところとして交際費があげられます。
交際費との判断基準としては、支出先となります。
取引先(得意先、仕入先、その他事業に関係のある者)に対する接待、供応、慰安、贈答などは交際費に該当します。
一方、取引先でない相手への金銭、物品その他経済的利益の贈与または無償の供与は寄付金に該当します。
法人税法上、寄付金は4つの種類に分類されます。
①国や地方公共団体への寄付金
②特定公益増進法人への寄付金
③指定寄付金
④一般の寄付金
①国や地方公共団体への寄付金
日本赤十字社の義援金などが該当し、全額損金算入ができます。
②特定公益増進法人への寄付金
公益社団法人・公益財団法人などへの寄附が該当し、一定の限度額まで損金の額に算入できます。
限度額:(期末の資本金等の額 ×当期の月数/12×3.75/1,000+ 所得の金額 ×6.25/100)×1/2
例)資本金1,000万円、所得600万円
=(37,500円+375,000円)×1/2
=206,250円
③指定寄付金
学校法人の教育研究などへの寄付が該当し、全額損金算入ができます。
④一般(その他)の寄付金
上記に該当しない寄付が該当し、一定の限度額まで損金の額に算入できます。
限度額:(資本金等の額 ×当期の月数/12×2.5/1,000+ 所得の金額 ×2.5/100)×1/4
例)資本金1,000万円、所得600万円
=(25,000円+150,000円)×1/4
=43,750円
損金算入時期
寄付金の損金算入時期は、実際に支出した日となります。
仮に決算で寄付金を未払計上している場合は、損金の額に算入されません。
未払寄付金を計上している場合には、別表で加算・留保し、別表14の寄付金の額には含めないことになります。
翌期に別表で減算・留保の税務調整を行うこととなります。別表14の寄付金の額に含めることとなります。
未払寄付金は、実務上みるケースが少ないと思いますが、寄付金の計上がある場合、事業年度中に支払っているかどうかの確認が改めて必要と感じました。
ビッキー