❶ はじめに
相続税の計算において預金の残高証明を取得する際、定期預金については既経過利息を計算してもらいます。昨年あるお客様の相続手続きで某銀行の残高証明を取得したところ、既経過利息が10,000円ついていました。ところが、遺産分割協議が終わり解約手続きをしたところ、実際に入金された利息は2,000円ということがありました。
「銀行がこんな初歩的な間違えをするか?」と思いつつ、「相続発生日後に相続手続きをしているのに貰える利息が減るなんて一般常識的には考えづらい」と思い、某銀行に問い合わせることにしました。
➋ 時系列
時系列は以下の通りです。
定期預金の預入日:令和6年4月1日(1年満期)
相続発生日:令和7年2月28日(既経過利息10,000円)
相続手続き実施日:令和7年5月31日(利息実受取額2,000円)
※ 本文において日付、金額などの数字は全て架空のものです。
❸ 某銀行の回答
私が問い合わせた某銀行では「定期預金を中途解約する場合には解約日時点での利率で計算を行う」のに対して、「定期預金が満期を迎えた場合には当初の約定利率により計算を行う」そうです。丁度令和6年7月頃から利上げを行ったため、残高証明の既経過利息は2月28日時点の利率で計算されていた一方、実際に貰える利息は令和6年4月1日に約定した利率で計算されるため、残高証明記載の既経過利息よりも少なくなったとの回答でした。
全銀行がこのような計算を行っているかは分かりませんが、既経過利息は約定利率よりも不利な中途解約利率により計算するため、解約時の実受取利息が既経過利息を下回ることはないと考えておりました。しかしながら、金利上昇局面においては、既経過利息は必ずしも受け取れる利息を担保するものではないということが分かり大変勉強になりました。
(HIPON)