令和6(2024)年6月に成立した「事業性融資の推進等に関する法律」は、令和8(2026)年5月25日に施行されます。この法律は、従来の不動産や経営者保証に頼る融資に代わり、事業の価値や将来性を重視した融資を促進することを目的としています。
企業価値担保権の創設により、不動産や物的資産だけでなく、会社の技術・ブランド・ノウハウ・将来性といった無形資産も担保として評価されるようになり、赤字企業やスタートアップも融資を受けやすくなりますし、中小企業や個人事業主にとって、資金調達の考え方が大きく変わる重要な制度改正といえるでしょう。
ですので、事業性評価融資では単に黒字か赤字かといった結果だけが評価されるわけではありません。現在の業績に至った背景と将来どのタイミングで、どのように収益が生み出されるかを決算書や申告書の数値と整合的をもって説明できるかが重要になります。
例えば、赤字会社でも新規クライアントの獲得計画や単価改善により3年後に黒字化が見込める場合、計画と数字の裏付けがあれば融資対象となる可能性が高くなります。
事業性評価融資は一般的に次のような流れで進みます。
1事業計画の作成
まずは、自社の強み、成長戦略、将来の収益見込みを整理します。売上計画や資金繰り計画だけでなく、市場環境や競合、自社の優位性も盛り込み、実現可能性の高い事業計画書を作成することが重要となります。
2金融機関への事前相談および申込み
作成した事業計画書を持参し、金融機関の融資課に相談します。
融資の必要性だけでなく、事業の方向性とビジョンを説明することも重要です。
3事業性評価(ヒアリング)
金融機関は、提出書類だけでなく、事業内容、経営者の考え方、市場環境など総合的に確認します。
4審査および融資条件の提示
評価結果を踏まえて金融機関内で審査が行われ、融資金額、金利、返済期間などの条件が提示されます。
5契約締結・融資実行
条件に合意すれば契約を締結し、融資が実行されます。
事業性評価融資は、経営力強化税制と同じく、計画提出で完結する制度ではなく、融資後も事業計画どおりに進んでいるかを金融機関に説明していく必要がある点が特徴です。
有形資産だけでなく無形固定資産の価値も重視されますので、自社独自の業務ノウハウやブランド力、顧客との信頼関係など、直接数字に表れにくい資産も事業の将来収益に大きく影響します。試算表や資金繰り表は月次で作成し、過去実績や計画との整合性を保ち、粉飾や過大計上は避け、数字の裏付けをもとに金融機関に説明できる状態にすることが融資成功につながります。
ビッキー