オリオン税理士法人
相続税

メタバースと相続税


(1) メタバースの土地とは

最初にお断りしておきますが(1)の内容は、普段ゲームをしない筆者が、恐らくあまり詳しくないであろう読者の皆様に分かりやすく説明するために書いています。

お詳しい方からすると的外れな部分もあるかと思いますが、コメント欄にやさしく説明していただけると幸甚です。

メタバースは、コンピュータの中に構築された3次元の仮想空間やそのサービスをいいます。メタバース内では、ゲームや音楽・ライブ、ショッピングなどを楽しむことができ、メタバース内で土地の売買も可能です。

「現実に存在しない土地を買うなんて怪しい」と普段ゲームなどをしない筆者は思いますが、メタバース内の土地には希少性があり、ビジネスへの活用や投資対象として投資家やビジネスマンから注目が集まっているようです。ある調査によると2021年は600億円近い土地取引がメタバース内であったようです。

仮想空間上の土地ならば無限に作れそうな気がしますが、メタバース内でしか楽しめないゲームやショッピングを楽しみたい方のために、土地の数を限定することによりプレミア感を出すということなのでしょう。



(2) 相続税法上の評価

現時点で、メタバース内の土地を相続した場合、相続税の課税対象となるか、どのように評価するかは国税庁から示されていませんので、財産評価通達、暗号資産に係る取扱いなどから、合理的と認められる評価方法を用いる必要があります。

代表的なメタバース内での土地の取引価額は、2021年の間だけで数倍以上値上がりしているようですので、購入時の価額で評価とはいかず、相続時の取引売買実例などを用いることが現状は適当だと思われます。(取引売買実例が確認できるのかも分かりませんが。)

今後値上がりが見込めるのであれば、例えば今後、相続時精算課税を用いれば、何十倍の価額にも膨らんだメタバース上の土地を贈与時点での安い評価額で相続する方も出てくるのではないでしょうか。



(3) 雑感

デジタル財産は、インターネットの普及、IT技術の発展により、さまざまな形により爆発的な勢いで増加しています。今後、次々に増えていくであろうデジタル資産に税制面での法令、解釈、取扱いが追いつくのかという心配もありますが、現状、評価方法が明らかではないものが多く、税理士の判断に委ねられるものが多いため、まずはどの資産がどのような性格を持っているか正しく判断できるよう、常にアンテナを張り巡らせなければいけないと感じました。



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